PMID: 14513768

Nakamura T
[MDR1 genotypes related to pharmacokinetics and MDR1 expression].
Yakugaku Zasshi. 2003 Sep;123(9):773-9., [PubMed]
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11 ABCB1 p.Gly185Val
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ABCB1 p.Gly185Val 14513768:11:489
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MDR1 遺伝子多型 MDR1 遺伝子多型に関する最初の報告は 1989 年 Kioka らによってなされ,ヒト正常副腎より単離さ れ た MDR1 に お い て 2 種 類 の ア ミ ノ 酸 置 換 (Gly185Val, Ala893Ser)を検出し,後者は遺伝的 多型を反映することを示唆するものであった.2) こ の後,数ヵ所の SNP が報告されたが,3,4) 2000 年に 774774 Vol. 123 (2003) 入り,HoŠmeyer らは 188 人の白人を対象として MDR1 遺伝子多型の網羅的スクリーニングを行い, 15 ヵ所の遺伝的多型の存在を報告した.5) HoŠmeyer らの報告で注目を集めたのはエクソン 26 上 3435 位の遺伝子多型(C3435T)であり,C3435T 遺伝 子型は,十二指腸における MDR1 タンパクの発現 量や典型的 MDR1 基質であるジゴキシンの消化管 吸収に影響を及ぼすといった内容であった.その後, C3435T 遺伝子型に関して世界中で大規模母集団に 対する C3435T 遺伝子型発現頻度解析が行われ,そ の発現頻度には人種差が報告されている.5―8) また, Kim らは,健常なヨーロッパ系並びにアフリカ系 アメリカ人を対象に MDR1 遺伝子の遺伝子多型解 析 を 行 っ た 結 果 , 3435 位 が CC3435 ( あ る い は TT3435 )である者のうち 95% (64%)で 2677 位が GG2677 (TT2677)であることを示唆しており,人種, 性別,年齢を問わず 3435 位と 2677 位の多型が関連 していることを示唆した.9) 著者らは,健常な日本 人 117 人を対象として遺伝子型発現頻度を検討した ところ,3435 位は CC3435 35.0%, CT3435 53.0%, TT3435 12.0%の頻度分布であり,2677 位は GG2677 12.8%, GA2677 23.9%, GT2677 38.5%, AA2677 1.7%, AT2677 13.7%, TT2677 9.4%であった.10) ここで, CC3435 のうち 31.7%が GG2677, TT3435 のうち 71.4% が TT2677 であり,Kim らの報告を支持するもので あった.また,2677 位に A を有する者の発現頻度 が白人に比べて日本人において高いことを報告し た.10) MDR1 遺伝子に関しては,現在までに 27 ヵ所 28 種類の遺伝子多型が報告されており,このうち 7 ヵ 所はイントロン上に位置し,11 ヵ所はアミノ酸置 換を伴う多型である.4,5,9,11―14) Kim らは,11 種類の 遺伝子多型 C-4T, G-1, A61G, A548G, G1199A, C1236T, C1474T, C2650T, G2677T, T3421A 及び C3435T について,MDR11 から MDR18 とその サブタイプを含む 15 種類の対立遺伝子を定義して おり,今後,MDR1 遺伝子型と表現型の相関解析 を行っていく上でこの定義の是非が問われてくると 思われる.9) 3. Login to comment